北半球にある日本にとって、2月はもっとも寒さのこたえる時期ではないだろうか。雪降る寒さにもめげずにやってきたホットな商戦。それはバレンタインデー。日本では女性が男性にチョコレートを手渡し、愛を告白するというイベント的な日である。女性ならば誰に渡そうかと、男性ならば幾つもらったかなどで一喜一憂した思いでは多くの人にあることだろう。
そもそもバレンタインデーとは、遡ること1800年前、ローマ皇帝の迫害の下殉教した、聖ウァレンティヌスの没日であったといわれている。
当時ローマ帝国は軍人皇帝時代と呼ばれる、軍事的内乱状態にあった。時代は凄惨を極め、皇帝ですらいつ暗殺されるかわからないという世情だった。事実235〜285年の50年間に18人もの皇帝が即位したが、天寿をまっとうできたものは1〜2人だった。この時代においては皇帝は軍隊が擁立する”飾り”であって、その廃位も軍によって左右された。
ローマ帝国皇帝”クラウディウス2世”は、より強力な軍を確保するために一つの法令をだす。それは、ローマでの兵士の結婚を禁止するというものである。愛する者を故郷に残すと兵士が戦場に出たがらず、士気が下がるということからだ。
この法令に反して聖ウァレンティヌスは、愛し合う男女を秘密にを結婚させていた。しかし、このことは皇帝の怒りを買うことになった。また、当時キリスト教は禁教であったことも一因となったのであろう、聖ウァレンティヌスは捕らえられることになった。
3世紀のローマでは2月14日は女神ユノを祭る祝日である。彼女は全ての神の女神であり、家庭と結婚を象徴していた。そしてその翌日は15日は豊穣を祈願するルペカリア祭の始まる日であった。この祭りでは男女がめぐり合う風習があり、多くの男女が結ばれた。聖ウァレンティヌスはこのルペカリア祭に捧げる生贄として選ばれ、ユノの祝日である14日に、棒や投石によって処刑された。
この惨事より次代は流れ、キリスト教はローマにおいての国教となる。当初のローマ教会は異教的な風習を一掃しようとしたのだが、民衆の反発もあり難航していた。ルペカリア祭も例外ではなく、ローマ教会にとっては煩わしい異教の風習であった。事態を好転させるために、教会は一計を案じた。それは異教の風習にキリスト教の要素をもたせることであった。
教会は、ルペカリア祭を兵士の結婚の為に殉教をした聖ウァレンティヌスと関連づけることで、キリスト教由来の”祭り”であると解釈したのである。このため、ローマ以前より続く豊穣と結婚の祭りは、キリスト教徒にとっても祭日となり、恋人たちの日として後世に残るようになった。
[Wikipedia]*ルペカリア祭
豊年を祈願する(清めの祭りでもある)ルペルカリア祭の始まる日であった。当時若い男たちと娘たちは生活が別だった。祭りの前日、娘たちは紙に名前を入れた札を桶の中に入れることになっていた。翌日、男たちは桶から札を1枚ひいた。ひいた男と札の名の娘は、祭りの間パートナーとして一緒にいることと定められていた。そして多くのパートナーたちはそのまま恋に落ち、そして結婚した。
異説は多々あるが、バレンタインデーの起源といわれる話はこういうものだ。愛の告白の日として連綿と続いてきたわけだが、自分へのプレゼントを買う、友人同士・恋人どうしとの交流の日にと変化してきている。 事実、女性の4割近い方が自分へのチョコレートを買っているという話があるほどだ。
[PCweb}オンラインマッチングサービスを提供しているマッチ・ドット・コムインターナショナルは、20〜39歳の独身男女計488人に実施した「match.com 愛の調べ〜バレンタイン2006年篇〜」のアンケート結果を発表した。この報告によれば、約44%の女性が「バレンタインデーに自分のためにチョコレートを買って食べたことがある」と答えたという.....ちなみに今回の調査結果によれば、バレンタインデー・カップルの成立率も意外に低かった。全体の4人に1人(27%)が「バレンタインデーに告白した(された)ことがある」にもかかわらず、実際にうまく交際がスタートしたのは14人に1人(7%)。バレンタインデーはもはや、恋人同士のイベントなのかもしれない。
さて、高級チョコレートは相変わらずの売れ筋だが、こういう変化があると当然チョコレートだけがプレゼントとは限らなくなってきている。チョコレートにしても普通のチョコレートから一風変わった物へと変化していっている。
ウィスキーボンボンは甘いチョコレートが苦手な人にも喜んでもらえる定番として人気がある商品だ。ところが、この中身が焼酎の「焼酎ボンボン」が話題だ。左写真は、チョコレートの中身に焼酎「百年の孤独」をいれたものである。これならば、甘党の人もそうでない人も大丈夫に違いない。銘酒といわれる焼酎との組み合わせは実際に食べてみないと想像すら難しい。ただ、20歳未満の方へのプレゼントは避けていただきたい。
他にも、「蘭」、「伊佐美」など様々だ。似た商品として「焼酎生チョコ」というものもあり、こちらも人気を集めている。先年からの焼酎ブームとバレンタインデーがうまくコラボしたといったところか。
焼酎チョコからもみてとれるが、今年の人気は定番のベルギーコやフランス製の高級チョコだけでなく、きなこや抹茶を使った和風素材の物が人気がある。おっぱいをあしらい、ワンカップのビンに詰めた「BigCup」のようなジョーク商品も好調な売れ行きだという。今年は火曜日がバレンタインデーということもあり、義理チョコの用意も必要な方が多いこともその一因であると思われる。

ところでプレゼントにしてもチョコレートにしても、手渡すとき、受け取った後にメッセージがあると嬉しいものだ。これらのメッセージの伝え方も、口頭やメッセージカード、メールだけでない変化がみえてきている。
タカラが発売している「MA-MAIL」は気持ちを伝えてくれる豆だ。缶を開け、中に入っているナタマメに水をあげること5日で、マメの表面に刻まれた「だいすき」などのメッセージが見れるという商品だ。普段、面と向かっては言えないような言葉や思っていたほのかな感情を、缶の豆に託して送るのもよいのではないだろうか。芽が出たあとは、普通の植物と同じように日光に当て水をあげて育るとどんどん育つ観葉植物としても良い。ただし、食用ではないので、チョコレートのように食べてしまうことだけはしないように。
同じくタカラから、「な・めーる」というメッセージを伝える商品が発売されている。ボタンを押すとランプが光って、キャンディーのメッセージが浮き上がる。「だいすき」(イチゴ味)、「HAPPY」(レモン味)、「がんばれ」(グリーンアップル味)、「ありがとう」(コーラ味)、「おめでとう」(オレンジ味)、「I LOVEYOU」(ピーチ味)の6種類。が用意されている。
プレゼントにメッセージを付けることは今までにもよくあることだったが、ラッピング自体をメッセージにすることはあまりなかっただろう。「おしゃべりぼん」は、リボンに希望のメッセージを印刷するサービスだ。これならば気恥ずかしいような言葉でも伝えられるのではないだろうか。
しかし、メッセージは送りたいのだが、文面が思いつかない方は多いだろう。そんな人に嬉しいサービスがある。日本郵政公社が提供している「レターナビ」だ。このサービスは手紙離れの対策として打ち出されたものなのだが、その文例がやけに濃い。バレンタインデーの告白からプロポーズの文例まで。これなら口下手でも大丈夫だ。
近頃では女性から男性にだけでなく、その逆で男性から女性にプレゼントを贈ることも多い。女性の方でも期待している人は多いだろう。義理にしても、そうでないにしても贈るセンスを疑われない物を贈りたいものだ。
[関連]
ホワイトデー公式サイト
http://www.candy.or.jp/whiteday/
孤独なIT女戦士のDIMM手作りチョコ
バレンタインデー中止のお知らせ
http://www.geocities.jp/vanalenjp/
「バレンタインチョコレート補完計画」
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/
インペリアル チョコレート(チョコレート風味のビール)
http://www.sanktgallenbrewery.com/
*発注終了・限られた店舗でのみ飲めます。
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